家庭菜園レベルでの「ボカシ肥料」手作り方法の紹介

ピッコロファームメンバーの市川、小暮です。
GW(大型連休)も終盤となりましたが、笠間方面ではお天気に恵まれ、家庭菜園の野菜はスクスクと生育しています。
この時期には特に育ちざかりの野菜への追肥が必要となります。
家庭菜園用の肥料としては、有機系(堆肥)、無機系(化成)など多種多様でその使用方法・コストもそれぞれですが、比較的気楽に使え安全性も高い「ボカシ肥料」が良いとの声が良く聞かれます。
以前、ピッコロファームの小暮さんの紹介で「あしたを拓く有機農業塾」の講習会で「ボカシ肥料」の意義とその手作り方法を習得した経験を生かし、これの有効活用を行っていますので、その内容と作成の手順についてブログに掲載させて頂きます。

2017年5月5日

 
家庭菜園レベルでの「ボカシ肥料」手作りの紹介
 

平成28年2月25日に開催された「あしたを拓く有機農業塾」の講習会で習得した「ボカシ肥料」の手作り方法を基本とした内容と手順になっています。

~「ボカシ肥料」づくり講習会/受講済~

日 時:平成28年2月25日 13:00~16:00
会 場:あしたを拓く有機農業塾 圃場(笠間市小原)
講 師:涌井義郎(NPO法人あしたを拓く有機農業塾代表理事)

~材料及び器材~

材料は有機物ならば基本的にはなんでも良いとのことですが、「醗酵鶏ふん」、「米ぬか」、「腐葉土」を混ぜ合わせることで、成分含量がN:2%、P:3%、K:1-2%、更に「醗酵鶏ふん」の中にはCaO、MgOなどの微量成分も含まれるので最も基本的でほとんどすべての農作物に用いる(元肥にも、追肥にも)ことができる「ボカシ肥料」を作ることが出来ます。

【材 料】
醗酵鶏ふん 園芸店で購入(15㎏入りで100円程度)
米ぬか 園芸店ではあまり販売されていないので、精米を行っているお米屋さんで購入(15㎏入りで400円程度)
腐葉土 自宅で落ち葉を利用して作成している場合はこれを利用
上記がない場合は、近場の広葉樹の林で落ち葉が堆積し醗酵した腐葉土(表面より下層で堆積した落ち葉の形が崩れ、土に近い状態になっている部分)を集めて使用するか、園芸店で販売されている腐葉土(自然醗酵済のもの)を購入(40ℓ入りで900円程度)
「腐葉土」は2回目以降には完成した「ボカシ堆肥」を代用として使用できます。
【器 材】
収納ボックス 屋外用でサイズが45ℓ程度のもの、樹脂製ふた付きのボックスで1,300円程度
※遮光が必要なのでボックスはダークカラー(黒、濃緑 等)が良い
※衣類用ケース(白透明系)は材質が弱くお勧め出来ません。
ポリバケツ 5ℓサイズで500円程度
棒状温度計 30cmサイズで200円程度
網目ネット 防虫ネット(網目の細かいもの)、容器の蓋を兼ねる場合は網目の細かい遮光ネット(1.2m×2.0m/1㎜網目で500円程度)
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収納ボックス
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ポリバケツ
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棒状温度計
 

~「ボカシ肥料」の手作り品のコスト構成(重量15㎏当たり)~

【「ボカシ肥料」手作り品のコスト構成】
比 重 重 量/10ℓ コストA/10ℓ コストB/10ℓ
醗酵鶏ふん 0.5 5㎏ 33円 33円
米ぬか 0.4 4㎏ 100円 100円
腐葉土 0.6 6㎏ (手前)0円 (市販)230円
合 計 15㎏ 133円 363円

~「ボカシ肥料」手作り品と市販品とのコスト比較~

ア.市販の「ボカシ肥料」: 20㎏で2,400円程度⇒15㎏相当で1,800円程度
(内容:魚粉 油かす 動物かす 米ぬか 60日掛けて醗酵)

イ.手製の「ボカシ肥料」: 15㎏で133円(コストA)、15㎏で363円(コストB)
(内容:醗酵鶏ふん 米ぬか 腐葉土 約20日掛けて醗酵)

※ア.イ.(15㎏相当)の比較で、手作り品は腐葉土自前(コストA)の場合で、材料費のみの比較ですが1/10以下のコストとなります。

 

~作成の手順~

① 「米ぬか」、「腐葉土」、「醗酵鶏ふん」を各々バケツ(5ℓ)2杯ずつ容器に入れ、全体を均―に混ぜます。

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材料の「米ぬか」、「腐葉土」、「醗酵鶏ふん」
 

※収納ボックス一杯分の材料で総容量30ℓ、重量で約15㎏になります。

※「腐葉土」は2回目以降には完成した「ボカシ堆肥」を代用に使えます。醗酵しない場合はこれを多めに使うと良いです。

 
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② 材料を混ぜたら、少しずつ水を加えながら更に混ぜ合わせ全体を均一湿らせます。

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材料を混ぜ合わせ水分を加え仕込みが終了した状態
 

※湿り気の程度は、手で握ると団子が出来てさわるとボロボロに崩れる程度の水分量が適当(ベチャベチャに湿らせないことがポイント)です。

※水分が多すぎると腐敗(腐敗菌に負ける)に繋がりますので注意して下さい。

 
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③ 容器は通気性のよい防虫ネットで覆い、ふたを少し浮かせて通気を良くします。

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仕込みが終了し醗酵待ちの状態
 

※好気醗酵させるために容器を蓋で密閉しないで下さい。
醗酵菌は紫外線が苦手なので、仕込んだ「ボカシ肥料」は直射日光の当たらない薄暗い場所に置いて下さい。

※ボカシの醗酵菌は好気性のものと嫌気性のものとがいますので容器は半密閉が好ましいです。
また、ハエやコバエがボカシ材料に好んで卵を植え付けますので、これを遮るために容器は防虫ネット(網目の細かいもの)で覆って下さい、容器に蓋を載せない場合は網目の細かい遮光ネットで覆って下さい。

 
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④ 適度に醗酵が進むと1~2日後に材料の内部温度が50℃くらいまでに上昇します。

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醗酵が進み内部が醗酵菌の増殖で白くなった状態
 

※仕込み材料の内部温度が昇がらない場合は醗酵が十分に進んでいないので、腐葉土を追加するか新たに自然醗酵済の腐葉土を調達してやり直しを行って下さい。

※醗酵が進むと内部温度が70℃近くになる場合があります、この場合の、温度を下げるために特に念入りに切り返しを行って下さい。
その際、コーナー(隅)は丹念にかき混ぜ、醗酵のムラを無くすようにして下さい(醗酵の成功は適度に温度が上がる事で確認されます。また、適度な水分量にも影響されます)。

※内部が65℃以上の高温になると醗酵菌が弱り、品質の悪いボカシとなります。

 
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⑤ 2~3日に1回程度、切り返しを行い、醗酵菌に十分な酸素を供給して下さい。
全体が自っぱく乾いてきて、材料の内部温度が常温(25~ 30℃)までに下がれば完成(10日~20日程度/季節外部気温により変動)となります。

※完成した「ボカシ堆肥」はなるべく半年以内に使い切って下さい。
1年以上の長期保存もできますが、品質劣化(有害菌や害虫の侵入など)が起こりやすいとの事です。

※「ボカシ堆肥」の使い方としては、施肥後すぐに植える場合や追肥する場合は直接野菜の根に触れないようにすることが大事です(これは一般的な化学肥料でも同様です)。

 

~「ボカシ肥料」の有効性について~

各有機質素材の肥料成分の一部または大部分を有用菌の体に変換し(菌体肥料化)、元肥として用いれば一部が速効肥料に、大部分が遅効性の肥料として「緩やかな肥料効果」(日本語の「ボカシ」の語意)が期待できるので、野菜の植え込みと同時での利用が可能となります。

一方、土中ボカシ(有機質素材を醗酵処理しないで用いる方法で米ヌカや油カスなどを直接本畑に投入し、畑の中で低温醗酵させ元肥として利用する方法)の場合は、醗酵途中に根が伸長すると根に有害である場合が多いので、施肥直後のは種や苗の定植は避け、土中醗酵期間を2~3週間以上おき、その後に作付けすることが必要になるとの事です。

 

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Contributed by Ichikawa & Kogure | 20170505

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